7月1日、「青藏铁路(青蔵鉄道、青海-チベット鉄道)」が全線で営業を開始した。2001年6月に着工した青海省ゴルムドとチベット自治区のラサの間1,142kmが完成したことによって、青海省の省都西寧とラサを結ぶ全線1,956kmの開通となったわけである。チベット高原を南北に縦断する「青蔵鉄道」の開通によって、中国の行政区で唯一鉄道のなかったチベット自治区に初めて鉄道が走ることになった。
青海省のゴルムド駅では、胡錦涛国家主席ら政府首脳を迎え、工事関係者らが参加した大規模な記念式典が開かれた。胡主席の演説をはじめとする記念式典の模様や、胡主席らの見送りによって始発列車が出発する様子は、中国中央電視台で生中継された。またチベット側のラサ駅でも、銅鑼や太鼓がけたたましく鳴らされる中、真新しいプラットホームから始発列車が出発した。
「青蔵鉄道」は全線1,956kmの内、標高4,000m以上の部分が960kmにも及び、標高5,068mの高地にあるタングラ駅は世界最高峰の鉄道駅となる。また、全線内の永久凍土部分は550kmに達する。このため、工事はかなり困難を極めたようだ。貴重な野生動植物の生息地がある地域では、線路を迂回したり、橋を設けて動物の移動を妨げないなどの措置を取っている。「青蔵鉄道」を走る列車は、「気圧調整ができる密閉車両で、各座席に酸素吸引装置が設置されるなど、高山環境に対応している」のだとか。
「青蔵鉄道」の建設は、西部大開発の一環として、沿岸地域に比べ発展の遅れている西部の経済発展を図るとともに、分離独立傾向の強いチベットと漢族居住地域との一体化を図る狙いがある。また共産党創立85周年に合わせた開通は、革命精神やナショナリズムの高揚にも利用されるなど、国家の威信を賭けたプロジェクトともなっていた。
「青蔵鉄道」のチケットは、先月28日から販売が始められている。北京、重慶、成都、蘭州、西寧の各都市からラサ行きの直通列車が出発する。西寧発以外は、すべて蘭州を経由して「青蔵鉄道」へ入る。北京西駅発ラサ行きは、所要時間が約48時間で、一番安い「硬座(二等座席)」が376元、一番高い「软卧(一等寝台)」で1,262元となっている。上海の各旅行代理店でも、鉄道を利用したチベット旅行の売り込みに忙しい。
さて、ラサへの直通列車には恵まれなかった上海だが、ここにもうひとつ鉄道関係のニュースがある。「青蔵鉄道」の全線開通と同じ日に、上海南駅ターミナルがオープンしたのである。この上海南駅ターミナルは2002年7月に着工し、今年4月にもオープンするという話だったのだが、工事の遅延など珍しくもない中国にて、ここまでずれ込んでのオープンとなったようだ。ちょうど用事で近くまで来ていた私は、早速様子を見に行ってきた。
真新しい駅舎は、巨大な円形ドーム型をしている。円形なので、注意せずに歩いていると方向がわからなくなってしまうので、ちょっと困る。オープンしたばかりなので列車の本数がまだ少なく、利用客も多くないため、構内のスペースにはまだまだ余裕がある。
この上海南駅には、地下鉄一号線と三号線が接続し、今年の「春節(旧正月)」前にオープンした長距離バスターミナルも隣接している。また現在、9本の路線バスが乗り入れており、乗用車でも「沪闵路(滬閔路)」の高架路から市中心部方面の内環状線、もしくは市郊外の外環状線や浙江省へ向かう高速道路「沪杭高速公路(上海-杭州高速道路)」へとスムーズにアクセスできる。
一方で、「呉淞江(蘇州河)」の北側にある上海駅には、地下鉄一号線と三号線、四号線が接続し、去年オープンした長距離バスターミナルが隣接する。上海は、主に中国北方へ向かう列車および長距離バス
の始発となる上海駅と、主に中国南方に向かう列車および長距離バスの始発となる上海南駅という、2大ターミナル体制で増え続ける公共交通利用者に対応することになる。
上海南駅で列車に乗るには、まず荷物のセキュリティチェックを受けてコンビニや土産物屋が入っている内側のエリアに入り、さらに切符を検査されて待合室へと入る。待合室はプラットホームの真上に設置されているが、「软席(一等座席)」用には別の待合室が用意されている。列車が到着した後、もう一度切符の検査を受けてプラットホームに降り、列車に乗り込む際にまた切符を検査された上で、確認のため駅員に切符の隅を手でちぎられる。また、列車を降りた乗客の出口は地下に設置されていて、乗り込む乗客と交わることはない。上海駅など他の鉄道駅でも、ほぼ同様のシステムになっているはずだ。
むしむしじめじめした天気だったとはいえ、上海南駅構内の空調は効き過ぎで、外から構内へ入った瞬間に震え上がってしまうほどだった。構内の店舗エリアには、コンビニや土産物屋に並んで、なぜかアディダスの専門店が入っており、場違いな感じを受けた。パン屋で買ったバカでかいクロワッサンは、案外おいしかったのが印象的だった。
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関連リンク:
・「東方ネット」の特集記事「鉄道上海南駅、7月より正式に営業」
・「捜狐」のニュース特集「青蔵鉄道、7月1日全線開通」
・「MSN-Mainichi INTERACTIVE」の記事「中国:北京-チベット全線開通 青蔵鉄道、平均標高4500メートル」
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<追記>9/27
上海発ラサ行きの直通列車が10月1日から隔日1便で運行される。上海発が16:11、ラサ着が3日目の19:50で、所要時間は51時間39分になる。ラサ発上海行きは、折り返しの10月4日の8:32に出発し、3日目の13:45に到着する53時間15分の長旅となる。途中停車駅は、無錫(江蘇)、南京(江蘇)、蚌埠(安徽)、鄭州(河南)など9駅。チケットの価格は、一番安い「硬座(二等座席)」で406元、一番高い「軟臥(一等寝台)」の下段で1,314元となっている。
旅行会社からは、「青蔵鉄道」で行くチベット・ツアーがすでに売り出されているが、往復100時間も列車に乗る物好きは一体どれだけいるのだろうか?
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